妻の夢をかなえた3軒目の家
Mさん夫妻がそれまで暮らした一戸建ては、坂の多い土地にあったことや、ふたりで住むには部屋数も多く、手入れの必要な広い庭もあった。古希を迎える前に、交通の便がいい平坦な土地で、コンパクトな暮らしをしたい……。そしてMさん夫妻は、決断した。
「70歳を目前に、体力的にも“今しかない”という思いがありました」と語るご主人は、これまでに二度、戸建て住宅を建てたという経験があり現在の家は3軒目だった。
「土地探しの段階から、ノアデザインさんにお願いすることを決めていました。というのも、家内が昔から夢に描いていた本格的な西洋スタイルの家を実現するためには、ノアデザインさんが一番だと思っていたからです」
30回以上にも及ぶヨーロッパ旅行を楽しんできたMさん夫妻。磁器の絵付けやトールペインティングを長年の趣味とし、ヨーロッパの文化に慣れ親しんだ奥様の審美眼にかなったのがノアデザインだった。
塔屋を構成するリビングダイニングと主寝室には格調高いダマスク模様の壁紙を。階段室は甘くノスタルジックなベージュの壁に。2階の書斎の壁にはフラットなカラーを濃淡で取り合わせた。そんなふうに、部屋ごとに異なる色彩としつらえはすべて、奥様の差配によるもの。繊細な感性が伝わってくる。
キャビネットや書棚など、家族の歴史の節目ごとに奥様が集めて来たアンティーク家具の数々も、ひとつも無駄にすることなく、この新しい家にぴたりと収まっている。
日々培い、愛おしんできたご夫婦の暮らしを尊重しながら、新しいライフステージに合わせたシンプルな間取りが実現した。