• 塔屋のあるブリックタイルファサード。その中は1階にゲストルームとLDK、2階は主寝室とアトリエ、書斎、収納。奥行きのある外観と、コンパクトな間取りを両立する。

  • 飴色の重厚なダイニングテーブル、イギリスの名窯「スポード」のコレクションを収めるアンティークのキャビネット、そして典雅な絨毯。ご夫婦の歴史を見つめて来た家具たちが、あるべき場所に、しっくりとある。美しく、均整のとれたダイニングだ。

  • リビングルームのレースカーテンを通して注ぎ込む柔らかな光は、ここで暮らす至福感を高めてくれる。使い込まれたヨーロピアンな家具がひときわ映えるよう、ホワイト系の無垢フローリングを選んだ。

  • ダイニングルームに対してドアを設け完全に独立するキッチンにしたのは、奥様のたっての希望。生活感を出さない「見せない収納」に徹している。

  • 2階のご主人の書斎。南向きでとても明るい。奥様が選んだイギリス製のアンティークのデスクを愛用している。

  • 2階にある奥さまがご趣味の油絵を描くためのアトリエ。ご主人の書斎の壁面と同系色のグリーンであわせ仕切りのない一つの空間にした。

  • 塔屋の2階は主寝室。ごく淡いライラック色に包まれた空間が心地よい。この部屋の家具もすべて、長く愛用してきたもの。新しくあつらえる必要はなかった。

  • 白を基調とした1階のパウダールーム。ノスタルジックな照明とオーバルの鏡も奥様のセレクト。「クラシカルなアイテムが好きなのですが、ノアデザインのコーディネーターさんのご提案はとても的確で、選ぶのもとても楽しかったですね」。

  • ブリックタイルと落ち着いたグレーの目地。趣味は油絵という奥様の審美眼にかなうよう、選び抜かれた建材が

ご夫婦の夢を叶えた塔屋のある終の住処

妻の夢をかなえた3軒目の家

Mさん夫妻がそれまで暮らした一戸建ては、坂の多い土地にあったことや、ふたりで住むには部屋数も多く、手入れの必要な広い庭もあった。古希を迎える前に、交通の便がいい平坦な土地で、コンパクトな暮らしをしたい……。そしてMさん夫妻は、決断した。
「70歳を目前に、体力的にも“今しかない”という思いがありました」と語るご主人は、これまでに二度、戸建て住宅を建てたという経験があり現在の家は3軒目だった。
「土地探しの段階から、ノアデザインさんにお願いすることを決めていました。というのも、家内が昔から夢に描いていた本格的な西洋スタイルの家を実現するためには、ノアデザインさんが一番だと思っていたからです」
30回以上にも及ぶヨーロッパ旅行を楽しんできたMさん夫妻。磁器の絵付けやトールペインティングを長年の趣味とし、ヨーロッパの文化に慣れ親しんだ奥様の審美眼にかなったのがノアデザインだった。
 塔屋を構成するリビングダイニングと主寝室には格調高いダマスク模様の壁紙を。階段室は甘くノスタルジックなベージュの壁に。2階の書斎の壁にはフラットなカラーを濃淡で取り合わせた。そんなふうに、部屋ごとに異なる色彩としつらえはすべて、奥様の差配によるもの。繊細な感性が伝わってくる。
キャビネットや書棚など、家族の歴史の節目ごとに奥様が集めて来たアンティーク家具の数々も、ひとつも無駄にすることなく、この新しい家にぴたりと収まっている。
日々培い、愛おしんできたご夫婦の暮らしを尊重しながら、新しいライフステージに合わせたシンプルな間取りが実現した。

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