• サイディングを落ち着いたブルーグレーにしたのは街並みに溶け込むように、との思いから。三角屋根にドーマー、カバードポーチとアメリカンなフォルムの外観。

  • 吹き抜けのリビング。壁紙では出せない高級感ある仕上がりはドライウォール工法独特のもの。英国伝統のチェスターフィールドソファが似合う。

  • 週末は必ず2世帯そろって夕食をともにするというダイニング。家具は『アシュレイ』でそろえた。天井のメダリオンもIさんのこだわりのポイントだ。

  • ウォールナットの木目が美しい、デウィルズ社のオーダーキッチン。「カウンタートップが高めなので背筋がピンと伸びて気分よく使えます」と奥さま。

  • 2階のご夫妻の寝室。アンティークのドレッサーは、 Iさんから奥さまへの贈り物。心を癒やす絶妙な壁の色、真鍮のドアノブなど細部にまでこだわった。

  • 寒々しくならないように、水まわりは軽快なイエローでまとめた。キッチンからバスルームへの動線はバリアフリーで広々。先々を考えた設計だ。

  • 2階の4部屋のひとつがIさんの書斎。アナログレコードを聴いて過ごすのが至福のひととき。ドライウォールを濃紺に仕上げ落ち着いた空間に。

  • 北アメリカ由来の質実剛健な外観に反し、内部はより格調を感じさせる空間に。無垢の床材の深い艶、光を優しく映すドライウォールの対比が美しい。

飽きのこない愛着が増すアメリカンハウス

オーソドックス。そんな言葉を体現する家

 「家の中を眺めていると、幸せな気持ちになりますね」と語るIさん。今、すべてにおいて満足している。
 実家の建て替えに伴い2世帯住宅を建設することになったIさんが実現したかったのは、落ち着いた雰囲気で、飽きのこない家。複数の住宅展示場にも足を運んだが、日本のハウスメーカーではどうしてもピンと来ない。そこで輸入住宅に目を向けた。 「ニットーホームに提案していただいた切妻の屋根とラップサイディングの外観に惚れ込みました。最もオーソドックスだと思います。巷ではシンプルモダンが流行っていますが、何十年かすると却って古くさくなるのではないか。せっかく建てる家だから、流行には捉われたくない。私は、何年経っても古びて見えない家を建てたかったんです」
 そんなIさんが特に気に入っているのはドライウォール。リビングダイニングにはウィリアム・モリスの壁紙と同じ色を指定。そのマ ットな仕上がりが、上質で格調高い空間を生み出している。パウダールームなどの水まわりは明るいイエローに、ご夫妻の寝室は優しいピンクベージュ、ゲストルームはペールブルーと、各室にふさわしい色を入念に選んだ。 「雑誌などで海外のインテリアを研究するうちに、インテリアはモールディング(廻り縁)で決まると気付いたんです。そこでモールデ ィングを通常より厚くしてもらいました」オーソドックスな上質さを好み、自他ともに認める慎重な性格の持ち主だというIさん。その穏やかな情熱を、家づくりに注ぎ込んだ。そして完成したのは、時の経過とともにいよいよ価値を増す家だった。

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