自然と共生できる2つのガーデン
日本から遠く離れた北欧の国、スウェーデン。文化・風習は大きく異なるものの、自然に寄り添って生きるという、住まいに対しての思想には共通する部分が多い。真に贅沢な暮らしとは何か。自然が見せる最高の瞬間を暮らしに取り入れ、自然の移り変わりを感じながら過ごす。そんな時間を愛する人たちとともに味わう。人と人、人と自然が、あらゆるシーンで調和してはじめて、「邸宅」と呼べる、懐の深い住まいが完成する。
この家で、そうした思想を最も強く感じられるのが「コンバーチブルガーデン」だ。庭を屋内に取り込むという発想から生まれる空間で、屋根と壁があり、屋内として使えるスペースと、オープンなエリアを一つに融合させている。使い方は暮らしの数だけあるといえるだろう。気候のいい季節は、木製折戸を開け、内と外が一体になった開放的な空間として。寒い季節は折戸で仕切り、一つの独立した空間として利用できる。
キッチンから直接アクセスできるレイアウトとなっているため、日照や視線を遮りながら、親しい友人・知人を招くガーデンパーティ。そんな使い方がすぐに浮かぶ。もちろん、独立した空間として趣味の部屋に使うことも可能で、想像力を存分に羽ばたかせ、思いを巡らせるだけで楽しくなる。
この邸宅にはもう一つガーデンがある。それがプライベートガーデンで、寝室の外、コンバーチブルガーデンの階上床を利用した個のスペース。集いと、そして個。2つのガーデンに共通しているのは、やはり自然との一体感だ。四季のある国に生まれたことに感謝しながら、暮らしてみたい。