• コンセプトは「邸宅」。勾配屋根、天然石を使った正面外観。それ以外は吹き付けとなっている。シンプルだが、天然石と木製の窓枠という異素材のコントラストが目を引く。

  • 壁に外壁と同素材の天然石。間接照明下の天井部には米松一枚板を使い、室内にいながら外とのつながりを感じられるリビング。ソファエリアに適度なクローズ感が生まれよう、バイオエタノール暖炉の位置も考えてある。

  • リビングからつながりながら、スキップフロアとすることで独立した空間となっているラウンジ。5mを超える天井高、ヘリンボーンの床、上下階の窓とステンドガラス、モールディングなど見るべきところは多い。

  • 折り上げ天井とすることで、空間に広がりが感じられるダイニング。キッチン、奥の扉の向こうのコンバーチブルガーデンと回遊できるようになっており、使い分けが可能。

  • 使いやすさを第一に考え、回遊式のレイアウトとなっているキッチン。収納の扉面はナチュナルとホワイトで清潔感を強調し、タイルには光沢感のあるグレーを採用。全体に明るいイメージに。

  • 屋外スペースでありながら、窓を閉じれば屋内スペースとしても使えるコンバーチブルガーデン。開放感あるパーティスペースとして、また趣味を楽しむ部屋として。住む人の数だけ用途がある。

  • 洗面カウンターにはシルバーウォルナット、壁面には光沢のあるタイルを組み合わせて、異なる素材の調和を感じさせるパウダールーム。奥のバスルームを含め、清潔感、リゾート感が感じられる。

  • ゆったり落ち着けるテイストでまとめられたベッドルーム。間口の大きな窓の向こうにはプライベートガーデンが用意されている。喧噪を離れたリゾートで寛ぐような、完全な個のスペースだ。

  • シンプルな壁、ホワイト塗装のパイン家具をベースに、スウェーデンの伝統柄であるカービッツ柄、ダーラヘスト柄のカーテンをアクセントにした子ども部屋。

  • 床の間内の壁には手染めの手漉き和紙を使い、また掘りごたつをしつらえながら、ハイパネルを利用して和モダンな空間に。デンマークの手工芸であるウールのタペストリーを飾るなど、和洋折衷のスタイルが印象的だ。

北欧の住思想を描いた家

自然と共生できる2つのガーデン

日本から遠く離れた北欧の国、スウェーデン。文化・風習は大きく異なるものの、自然に寄り添って生きるという、住まいに対しての思想には共通する部分が多い。真に贅沢な暮らしとは何か。自然が見せる最高の瞬間を暮らしに取り入れ、自然の移り変わりを感じながら過ごす。そんな時間を愛する人たちとともに味わう。人と人、人と自然が、あらゆるシーンで調和してはじめて、「邸宅」と呼べる、懐の深い住まいが完成する。
この家で、そうした思想を最も強く感じられるのが「コンバーチブルガーデン」だ。庭を屋内に取り込むという発想から生まれる空間で、屋根と壁があり、屋内として使えるスペースと、オープンなエリアを一つに融合させている。使い方は暮らしの数だけあるといえるだろう。気候のいい季節は、木製折戸を開け、内と外が一体になった開放的な空間として。寒い季節は折戸で仕切り、一つの独立した空間として利用できる。
キッチンから直接アクセスできるレイアウトとなっているため、日照や視線を遮りながら、親しい友人・知人を招くガーデンパーティ。そんな使い方がすぐに浮かぶ。もちろん、独立した空間として趣味の部屋に使うことも可能で、想像力を存分に羽ばたかせ、思いを巡らせるだけで楽しくなる。
この邸宅にはもう一つガーデンがある。それがプライベートガーデンで、寝室の外、コンバーチブルガーデンの階上床を利用した個のスペース。集いと、そして個。2つのガーデンに共通しているのは、やはり自然との一体感だ。四季のある国に生まれたことに感謝しながら、暮らしてみたい。

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