直線的な無機質さと天然素材の温もりの妙
フランク・ロイド・ライトのデザインが好きで、モダンさと重厚さが融合した住まいに憧れていたという施主のYさん。あらかじめ購入していた土地に北米由来のプレイリー様式の自宅を建てたのは、5年間の海外赴任を終えて帰国した頃だった。
「もともと注文住宅を建てる計画をしていたのですが、いざ日本の住宅展示場を巡るとどれも色気
がなく、お願いしたくなるハウスメーカーがありませんでした」
Yさんが求めていたのは、木をはじめとする素材が持つ優しさや力強さ。プラスチックや樹脂建材が多用された工業製品的な住宅には、魅力を感じることができなかったそう。そして、その経験から輸入住宅のメーカーを中心に探し、最終的にたどり着いたのが『スタイルカンパニー』。表情豊かな輸入材を用い、一邸一邸、丁寧につくり込む企業姿勢に心を打たれたのだという。
「話を伺うと、伝統的な様式を得意としながらも常に新しいものを採り入れるなど、最新の住宅動向も把握した上でプランニングをしていることや、メーカー自体が職人さんの集まりなので、私たちが望む事をカタチにしてくれる技術力と知識をお持ちだということがわかったんです」
過去の施工例も見た上で一任できると確信したYさんは、プレイリースタイルを希望することや部屋数など大まかな希望は出したものの、ディティールや設えなどを含め、殆どをメーカーに委ねることにしたという。
「設計士の方は旧帝国ホテルやヨドコウ迎賓館など、ライトが設計した建物に何度も足を運んで、私たちの想い描いたイメージを汲み取ってくれたのです」
かくして竣工した我が家を目にした時、Yさんは想像を超える出来栄えに大感激。一番のポイントである天井の意匠やブラケット、階段のデザインなどもスタイルカンパニーからの提案で、気がついた際は驚きの声を上げたとか。Y邸の手の込んだ意匠の絶妙なバランスは、建築を知り尽くした者でしか成しえないもの。本物の造形美は、暮らしにおける心地よさ・快適性を提供し、いつまでも住む人を魅了し続ける。