• 夕焼け空をバックに荘厳なフォルムが映えるT邸。全体を覆う上質な煉瓦は、実はこの家のためだけに焼かれたオーダーメイドの高級品。夜の帳が降りて家の電灯がつく頃には、その重厚感が最高潮となる。

  • リビング側の床はTさんが無垢の状態から塗装・施工したオーク材。スタイルカンパニーによって造作されたダイニングテーブルは、岐阜県の材木市まで出かけて選んだ板材。こちらもTさんご家族が磨きを担当した。

  • 構造の梁をあえて見せているのは、カナダの住宅に見られるティンバーフレームをイメージしたため。生命力を感じる木の模様を家の意匠に落とし込んだ。

  • キッチン・ダイニングの床材には、汚れても拭き取りやすいマルチカラーのスレートを用いた。色使いがシックなので、モザイク状にしても落ち着きが感じられる。

  • 奥様の城であるキッチンには、大人な雰囲気で人気の「メリラット」社のシステムを。見た目も使い心地も素晴らしい最上級クラスのものを選び、色は落ち着きのあるダークグリーンを採用した。

  • LDKの吹き抜け部分に沿うように設えた階段は、1階と2階を同じ空間として繋げる役割を担う。優美さを演出する意匠デザインでありながら、言葉を交わさずともコミュニケーションができるという機能デザインでもある。

  • お子さんが勉強するときはリビングで奥さまと一緒にという事が大半だが、今後テスト勉強などで集中したい時が来るだろうと見越し、2階のホールに勉強机も設置。

  • 右手のグリーンのクロスを貼った部屋が主寝室、左手の可愛らしいピンクの空間は子ども部屋。各部屋でメインカラーを設け、安らぎや楽しさを演出している。

  • カントリーな雰囲気を漂わす枕木が敷かれたアプローチを抜けてエントランスへ。玄関先は石と木とアイアンでクラシックな世界に統一。

  • 家とのマッチングを考えて作られたガレージスペースは、ビルトインのオープンタイプ。白いドアが印象的な勝手口も設け、雨の日でも濡れずに車と屋内を行き来できるようにした。

手と手を取り合って築いた、愛情の賜物としての我が家

DIYの精神と上質な素材との相互作用が、家をより良いものに昇華させた

 一世一代の大きな買い物。せっかく自分たちの家を建てるなら納得して選んだ部材や上質な素材を用いて、出来る範囲で自分たちの手でつくりたい。そんな考えを抱いていたTさんご夫婦は、スタイルカンパニーが主催していた“家づくり勉強会”に参加したことをきっかけに、一緒に理想の家づくりをするパートナーを決めた。
 オーナーがスタイルカンパニーに伝えた要望の一つは「可能な範囲で自分たちの手で家づくりをさせてくれること」。つまりは施工をすべて職人さんたちにお任せするのではなく、より愛着が湧く家にするためにTさんが実際の作業に参画し、一緒に家づくりをしたいという申し出であった。
「細かいことから沢山手伝わせてもらいました。思い出に残っているのは床に使った無垢のオークの材。あの時は毎日工場に通わせてもらって、私が天然オイルを塗装し、拭き取って乾燥させ、最後に床に張る作業も行いました」。とTさんは誇らしくげに語る。
 1階にLDKとランドリースペース、2階に主寝室と子ども部屋というコンパクトな2LDKの住まいではあるものの、一歩その中に足を踏み入れると空間の取り方が巧みで、ゆとりと包容力を感じる事ができる。限られたスペースの中でも豊かさが滲み出る空間に仕上げるため、使用した部材などは厳選した一級品。かくして誕生した家に、Tさんはしばしば思わず見惚れてしまうこともあるという。
 スタイルカンパニーの設計士や職人さんたちと一緒に作り上げた理想の住まいは、正真正銘自慢の家。最近では興味を持ってくれた知り合いを招いて、家づくりの話をするのが楽しくてしょうがないのだとTさんは笑う。

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