アメリカの生活に憧れたオーナーの、家族愛が詰まった居住空間
多角形の塔屋、ラップサイディング壁にカバードポーチ。奥様の手によって綺麗に整えられたお庭にぴったりな、麗しいクイーンアン様式のH邸。幼い頃からアメリカンカルチャーが大好きだったご主人が希望した、昔ながらの北米の住まい。
「海外ドラマやバラエティ番組で見るリビングやキッチンは、子どもながらに“豊かさの象徴”として私の心に焼きついていました。そして住まいづくりを考えたとき、迷わず北米様式にしたいなと。あくまでも“北米風”ではなく」
いくつかあるアメリカン・スタイルの中でも、Hさんが希望したのはイギリスが入植した時代にアメリカで発展したクイーン・アン様式。中世の城を思わせる多角形の塔がトレードマークの左右非対称な外観は、子供の頃からの憧れ続けていたものだった。
そんなこだわりの家づくり、パートナーに選んだのは「フローレンスガーデン」。ただそれらしい見た目にするのでなく、窓の位置やコラムの形、数など、当時の資料をもとに正確に再現し、「北米住宅の伝統的なルールに則ってつくる」という要望を見事に叶えた。
また、室内空間は風通しのよい家族関係を育めるようにとプランニング。1階のリビングを中心に、2階と地下までつながりを持たせ、家中どこにいても家族やゲストの気配が感じられるように仕上げた。特に1階は、バス・トイレ以外はドアをひとつも設けずオープンな空間に。
「 週末ともなれば誰かしらの友人たちが遊びにやって来ては、“ただいま”と言って家に入ってくるんです(笑)。そしてダイニングに座ってみんなで何時間もずっとおしゃべり。すごく落ち着くといって。これがこの家への最高の褒め言葉だと、私たち家族は喜んでいます」。みんながフランクに、我が家のように楽しめるというのはHさんが願っていたカタチだ。
そして、Hさんがもうひとつこだわりたかったのが、趣味の音楽を存分に楽しむためのスタジオづくり。
「 フローレンスガーデンを選んだのは、地上階と同じ床面積で地下室がつくれるから。地下室なら音漏れの心配も少ないんです。また、主寝室も地下に作ってもらったのですが、静かなので冬眠しているかのようにぐっすりと眠られます(笑)」
みんなでワイワイすることも、趣味に打ち込むことも、何にも邪魔されずにリラックスすることもできるH邸。「思い描いていた豊かな暮らしが、この家によって叶えられました」と、ご主人は頬を緩ませて語ってくれた。