オープンエアとプライベート感を両立させたパティオ
「イル・ド・フランス」とはフランス発展の中心地となった地域。彼の地に建つエレガントな総2階の家をイメージして作られたというA邸は、石畳のアプローチと表情豊かなファサードを有する。その邸宅の前に立てば、パリ郊外の街角に迷い込んだと錯覚してしまうような、麗しい雰囲気を感じることができる。
アクセサリーや雑貨の輸入に携わっているオーナーは、ヨーロッパ諸国やフランスに買い付けに行っては、現地の住宅や生活様式、インテリアに興味を寄せていたという。そして、いざ自分の家を建てるという時に思い浮かべたのはパリの街並み。デザインだけでなく、暮らし方も再現できる住まいを望んだ。
そんな理想の住まいづくりをお願いしたのは、本物の輸入建材と、本物の西洋建築を知り尽くした「参會堂」。どこを切り取っても絵になるような家にする為、参會堂が提案したのは、パティオを中心とした空間設計だった。
建物正面から覗く鮮やかなブルーの扉は、実は玄関ドアではなくパティオへ続く扉。玄関はその先に設えてある。つまり、出かけるときも、帰宅したときも、寛ぐときも、すべてパティオが家族を包み込むというわけである。
「近隣からの視線を感じることなく、オープンエアの暮らしが楽しめるのもパティオの良いところ。フランスをはじめとする海外の人は、こういった開放的な時間の過ごし方を大切にしています。うちは都会の真ん中ですが、私たちだけのプライベート空間が持てたことで、のびのびと過ごすことができるんです」
参會堂が手がけた、ライフスタイルも提供してくれる本物の輸入住宅。A邸にはパティオから日差しが降り注ぎ、家族の生活を明るく照らしている。