• 煉瓦積み様式とコロンバージュの木工様式が合わさった「ジェルブロワ地方」の建築をモチーフに、エイジング加工と曲線的な意匠をプラス。電線を地下に埋設してまでその世界観を大切にしたという。

  • 柱にフクロウが刻まれるなど、ミステリアスな雰囲気も感じられるリビングスペース。最後まで修正が加えられたという青味がかったグレーの階段が住まいの中心に据えられ、空間全体を巧みにまとめている。

  • モルタル造りの重厚感のある階段を登りきった先には、石積みデザインのアーチが。クールで無機質な素材感がある一方で、曲線や柔らかな壁の質感、流れ込む自然光によって暮らしに味わいを加えている。

  • リビング脇にレイアウトされた対面式キッチン。キャビネットはウッドで造作。陶器のシンクやタイルでクラシカルに統一しながらも、快適で使いやすいIHクッキングヒーターやスタイリッシュな換気扇もさりげなく配置された

  • キッチンのカウンタートップもモルタルで造作されたもの。アイアン脚のスツールに腰掛けて軽食をとったり、リビングにお茶を出す時の一時的なテーブルとしても活躍。

  • 2階の明かり取りからの直射日光が部屋の一角を照らし、路地裏さながらの風景を作る。窓や街灯風のライト、吊り橋も、こうなることを計算して設計されているのだ。

  • 目線を交差させる空間設計は、デザインコンシャスである一方、回廊動線としてどの部屋に行くにもとても便利。迷路のように隠れている空間が、日々を楽しくさせてくれる。

  • 石積み調のアーチの先には、深い水の底に向かっていくような神秘さを演出したパウダールーム。右手にはランドリースペース。扉の窓格子、ステンドグラスといった細かな建具にまで、一つひとつデザインを変えているのは、家への愛情の表れだろう。

  • インテリアが重厚な分、光を取り入れて全体の印象を軽快に見せる仕掛けがそこかしこに。吹き抜けは階段からダイニングスペースまで、家を分断するかのように確保。2階の吊り橋はそのための仕様という訳だ。

  • クラフトマンシップが感じられるグリーンアンドハウスの家。大人の雰囲気に遊び心が加えられた暮らしが、豊かさをもたらしている。

古くから建つ、フランス・ジェルブロワの佇まいを現代に

一目ぼれから始まった、お城の家の物語

 一目見たら忘れられない住まい—。様々な特徴はあれど、それが埼玉県に建つA邸を見た時の最初の印象。楽しく素敵な暮らしをされているのだろうと想像してしまうこの一軒は、やはりグリーンアンドハウスによって設計されたもの。
「10年前、偶然に通りがかった場所で一軒のお家が目に飛び込んできたんです。一瞬のうちにファンタジーの世界に迷い込んだかのような錯覚に捉われ、こんな家が日本にあるんだ! と驚き、心奪われました」。とオーナーのAさん。
 実はそのとき目にした家というのは「グリーンアンドハウス」のモデルハウス。そして、心に鮮明に焼きついたその物件に初めて訪れたのは、3年ほど前家を立てようと動き出した時だったという。
「家づくりを考えた時に思い浮かんだのはあの家。どこにも目をくれず見学に行き、即決で我が家の設計をお願いしたんです」
 設えとしては開放的な吹き抜けがあって、イメージとしてはしっとりとした色使い。そんな基本的な要望を出した以外は、ほとんどお任せ。次の打ち合わせの時には、フランス・ジェルブロワに佇む石造建築をモチーフにし、Aさんの希望を叶えるデザインを提案してくれた。
 デザイン画に描かれていたのは、ぬくもりを感じる漆喰の塗り壁からレンガが覗くような壁、牧歌的なティンバーフレーミングを持つ外観。そしてブラウンカラーを基調とした、落ち着きある住空間。そのプランはAさんの予想通り「自分たちの想像以上の住まい」となっていて、またしても感性を大きく揺さぶられたという。
「工事中は現場での調整も行われ、思い切った色味変更の相談もあったのですが、そこに家づくりに対する熱量と真摯さを感じました」
 こうして完成したA邸は、まさにファンタジーの世界の建物のような個性的な住まい。この物語の主人公となったAさんは楽しく豊かに暮らし、これからまだまだ続く人生のストーリーを家族と共に紡いでいる。

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