欧州への憧れと本物の技術との出会い
仕事の関係でヨーロッパ、しかも郊外の街に出かけることが多く、時の流れを風格として刻むような家づくりに憧れたAさん。最初に建てた家はイタリアの小都市の家をイメージしたが、この家はフランス郊外のお城を思い浮かべたという。
「前に建てた家は少し中途半端な感じになってしまったので、今回は本物の輸入住宅をつくりたかった。そして品の良いリゾートのように寛げる空間にも仕立てたかったので、建材も技術も本物のトップメゾンを選びました」
エントランスホールからリビングに入ると、手前と奥で空間のテイストがまったく異なることに驚かされる。手前は海のリゾート、奥は山のリゾートで、当初から「2つのテイストを持つ空間を共存させたい」と、ご主人がリクエストした。
5mを超える天井まで届く、大きな窓から光が降り注ぐリビングは、抜群の開放感。カーテン、絨毯の色はブルー系とすることで、確かに、海のリゾートで寛ぐような気分になれる。 奥は山のリゾートとなり、木目のぬくもりを生かした、落ち着いた雰囲気となっている。それぞれコンセプトが明確だが、共存させることに不安はなかったのだろうか。
「なかったといえばウソになります。でも違和感なく共存させるにはどうすればいいのか、トップメゾンと話し合ううちに不安はなくなりました。柱のアーチ、床のタイルで2つの空間をスムーズにつなぐセンスは、さすがだと思いましたね」
仕事やプライベートで使ったホテルのバス、家具、小物などの細かな備品など、ご主人が写真に撮って要望すると、可能な限り対応してくれるフットワークの良さもあったという。「この家を建てて、本当によかった」本物の輸入住宅を手に入れたAさんは、お気に入りのリビングで、そう笑った。