アメリカの邸宅をアップグレード
「ここから始まったと言えます」。Hさんから見せていただいたのは、以前、アメリカのテネシー州に建てた邸宅。こだわり抜いたはずでも、暮らし始めると「こうすればよかった」と感じるところもあった。「次に建てるときはもっとうまくできる」。そんな思いから始まった新しい家づくり。まず意識したのは“遊べる家ということ。各部屋にスピーカーを埋め込んでいる他、広々としたガーデンやシアターなど見どころは満載だ。 ドアやバスタブ、シンクの蛇口、シアタールーム専用ソファ、タイルや照明などはHさん自ら海外で購入して輸入。カーテンは、タイのジム・トンプソンでシルク地を購入し、奥様が日本のショップにオーダーしたという。こだわりは徹頭徹尾。「細部に至るまで妥協したくなかった」とお二人は語る。「我ながら、かなりわがままな施主だったんじゃないかと(笑)。思いが強すぎていくつものハウスメーカーに断られましたが、『自分で選んで輸入できるならそのほうが後悔しない』と、私たちの考えに共感してくれたのがドンナハウス。基本の図面はありましたが、そこから先はともに考え、アイデアを出し合い、一緒に家づくりをしてきた感覚があります」
エントランスホールから2つのリビング、そしてキッチンまで続くおおらかな動線は、まさに北米の邸宅のイメージ。外には約40坪のウッドテラスが広がり、リゾートのような気分にも浸れる。一方、オールドノリタケのコレクション、西陣織の生地を使ったパネルなど和のテイストも取り込んでいる。「わたしたちのスタイルに合う輸入住宅をつくりたかった」という言葉が、すとんと腹に落ちる。H邸はそんな、豊かな表情を持つ邸宅だった。