• 海外でで長く暮らした経験から選んだ堅牢なフォルムの外観。煉瓦張りにコラム柱とまさにアメリカンスタイルの邸宅。

  • エントランスホールからつながるフォーマルリビングは、天然石で飾ったマントルピースが存在感を放つ。シルクのソファはアメリカで暮らしていた時、ショップにオーダーしてつくったもの。

  • テーブルはエドワーディアン様式、チェアはリージェンシー様式。シャンデリアを含めて、ダイニングルームはお二人が好きなアンティークで統一されている。

  • フォーマルリビングと敷居なくつながるファミリーリビングは、オーダーメイドのソファや、ペルシャ毯でフォーマルリビングと色調を微妙に変えている。左奥には光がたっぷり挿し込むヌックがある。

  • カップホルダーなどを備えた専用シートは、ご主人が「どうしても欲しい」とアメリカから輸入したもの。シンク、冷蔵庫を備えた本格的なバーもあり、H邸のシアタールームは男のロマンの結晶ともいえる。

  • ウッドとアイアンを組み合わせ、落ち着いた雰囲気にまとめた階段まわりのスペース。
    シャンデリアの向こうに見えるのは西陣織の生地を使ったパネル。

  • ぐるっとめぐらせたカウンターが特徴のキッチン。アイランドを備えようとも考えたが、動線を意識してこの形に落ち着いた。KraftMaid(クラフトメイド)社製。

  • 18世紀のアンティークデスク、ペルシャ絨毯、絵や写真のディスプレイなど、ご主人がこだわったもので構成される書斎。デスク、床、壁。色のバランスが見事。

  • 広々とした主寝室。ベッドやチェストはアメリカの家で使っていたもの。映画鑑賞のために7.1サラウンドシステムを埋め込んでいる。

  • 主寝室からつながるバスルーム。バスタブからドアの取っ手に至る小さなパーツまで、ご主人が海外から取り寄せたものが多い。窓の向こうにはゴルフ場が広がる。

北米スタイルの妥協しない住まいがここに

アメリカの邸宅をアップグレード

「ここから始まったと言えます」。Hさんから見せていただいたのは、以前、アメリカのテネシー州に建てた邸宅。こだわり抜いたはずでも、暮らし始めると「こうすればよかった」と感じるところもあった。「次に建てるときはもっとうまくできる」。そんな思いから始まった新しい家づくり。まず意識したのは“遊べる家ということ。各部屋にスピーカーを埋め込んでいる他、広々としたガーデンやシアターなど見どころは満載だ。 ドアやバスタブ、シンクの蛇口、シアタールーム専用ソファ、タイルや照明などはHさん自ら海外で購入して輸入。カーテンは、タイのジム・トンプソンでシルク地を購入し、奥様が日本のショップにオーダーしたという。こだわりは徹頭徹尾。「細部に至るまで妥協したくなかった」とお二人は語る。「我ながら、かなりわがままな施主だったんじゃないかと(笑)。思いが強すぎていくつものハウスメーカーに断られましたが、『自分で選んで輸入できるならそのほうが後悔しない』と、私たちの考えに共感してくれたのがドンナハウス。基本の図面はありましたが、そこから先はともに考え、アイデアを出し合い、一緒に家づくりをしてきた感覚があります」
エントランスホールから2つのリビング、そしてキッチンまで続くおおらかな動線は、まさに北米の邸宅のイメージ。外には約40坪のウッドテラスが広がり、リゾートのような気分にも浸れる。一方、オールドノリタケのコレクション、西陣織の生地を使ったパネルなど和のテイストも取り込んでいる。「わたしたちのスタイルに合う輸入住宅をつくりたかった」という言葉が、すとんと腹に落ちる。H邸はそんな、豊かな表情を持つ邸宅だった。

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