光と影が美しいヴィラのような邸宅
ローマ帝国が栄華を極めていた時代、上流階級の人々が好んで作った邸宅のひとつがヴィラである。イタリアをよく訪れていたAさんの要望はヴィラのようなデザインと迫力のある暖炉・息子さん家族と暮らせる二世帯住宅だった。
その要望に応えるべく暖炉は吹抜けのリビングに配置し、マントルピースの上壁をデザインする事で迫力を持たせた。
この大空間のリビングには、コラムやアーチ・骨太のアイアンなどで意匠デザインを施し、要所の壁面を肉厚にすることで凹凸が生まれた。窓から降り注ぐ光や照明によって美しい陰影を意図的に作り出し絵画のような空間に仕上げた。この光の陰影は当初から計画されており、それを提案されたAさんは『参會堂』の設計力の高さに驚いたそうだ。『参會堂』にとって空間づくりにおいてとても大切にしているのが、この光と影なのである。
また家全体、白を基調にコーディネートし、随所に自由にデザインすることができるモザイク大理石(メガロン)を使い、彩りを添えている。
大勢の人を招くことが多いAさんは、周囲の目を気にすることなくパーティなどを楽しむために、おもてなしの舞台としてパティオを設けた。ときには愛車を愛でながらゆったりと時間を過ごし、息子さん家族とのコミュニケーションの場ともなっている。
また、パティオを華やかに演出する役割を担っているコリドーは、2階が息子さん世帯と繋がる廊下となっており各居室から見える景観も考え設計された。威風堂々とした外観と相まって、まさにヴィラと呼ぶに相応しい邸宅となっている。