お城のような家に憧れて
緑豊かな高台にひときわ目を引く邸宅が北米住宅らしいモダンテイストに満ちたH 邸だ。「お城のような家に住んで、感性を磨きたい」と考えていたH さんが、以前からオーダーカーテンで付き合いのあった『かっこ屋』に依頼して実現した、理想の輸入住宅だ。
ベースとなっているのは、カナダの都市サーレーに建つ家をモチーフにした。
ラップサイディングとストーン張りで仕上げられたシンメトリーなエクステリアは、要所に化粧柱を2 本ずつ用いてデザインのアクセントにしているのが特徴となっている。
この家のコンセプトは、「家+庭=家庭」。敷地内に配したガレージと家とのバランス、どの角度から見ても美しいデザイン、イギリスの「セントアンドリュースゴルフクラブ」をイメージしたガーデンとの調和など、あらゆる要素を緻密に組み合わせることで、エレガントなイメージを強調している。
重厚感と落ち着きに満ちたインテリアは、まるで美術館のような趣きだ。要所に絵画を飾り、各部屋の天井にスピーカーを埋め込むことで、いつでもゆったりとくつろげるリラックス空間をつくり出している。開放的な吹き抜けのエントランスホールの奥には、広々とした空間を生かして2 ヵ所のリビングとゲストルームを配置。家族がくつろげるだけではなく、さまざまな人が集えるように配慮しているのが、人との縁を大切にするH さん流のこだわりだ。
高い質感のアカシア材を用いたフローリングとドライウォールのコントラストが際立つリビングは、重厚感とエレガントさを両立した珠玉のフィニッシュ。
奥さまの希望で、キッチンはピンクを基調にコーディネートされ、淡いピンクの色調やイタリア製のモザイクタイルを用いたカウンターとの調和で、派手さを抑えた女性らしい優美なイメージを演出している。
部屋によって大理石のフロアタイルとアカシアのフローリングを使い分けるなど、細部にまで貫かれたハイセンスなコーディネートも秀逸だ。そんなインテリアの中で、もっとも特徴的なのが、高級ホテルの和洋室をモチーフに、部屋の奥にふすまを隔てて和室を配置した1 階の主寝室。エレガントな洋風デザインに和のテイストを違和感なく組み合わせることで、独創的なリラックス空間を生み出している。
カラーやデザインにこだわったHさんは、オーダーカーテンをはじめ、イタリア製のシャンデリアや家具など、ディテールの仕上げも入念。独自のこだわりを存分に詰め込んだこの家は、まさに理想の輸入住宅と呼ぶにふさわしい。