• ラップサイディングは当初からの希望だったが、色は一緒に検討。最終的に、大人っぽいブルーグレーを選択したが「これにしてよかった」と、ご主人。

  • ご主人の趣味と、こだわりのエッセンスが凝縮された空間。マストだったイナズマ階段の下奥には、所有するクルーザーの舵をディスプレイしている。

  • 1階には仕切りがなく、キッチン、ダイニング、リビングを配置。奥の壁はレンガとモルタル造形を組み合わせたもので、エイジング処理を細かく施している。

  • 置きたい家具を選んでもらい、それをモチーフに空間全体のスタイリングを詰めていった。ダイニングの折り上げ天井には羽目板を張っている。

  • 最初から希望されていた薪ストーブは、ゴシック調デザインのヨツール「f500」。キッチンはアイアンと木の組み合わせが希望で、同じメーカーのバックセットと合わせた構成に。

  • 1階、LDKと反対側には、ガレージとつながるように露天風呂、サウナを設置。日に何度も使い、「最高に整います」と、ご主人の大の気に入り空間だ。

  • イナズマ階段の上から見下ろす。フローリングはアカシカの無垢材で、1枚ずつ微妙に表情が異なる。モルタル造形の壁ともよく合っている。

  • エントランスから2階を見上げる。エントランスホール上も吹き抜けで、居室をつなぐ廊下は、両側に手すりのある橋のようになっている。

  • 屋根の勾配を生かして天井を高くとり、リゾート感のある主寝室。ベッドヘッド側の壁は羽目板を張り、反対側は1階と同じスペイン漆喰となっている。

  • 黒く塗装したガルバリウム、ステンレスのフェンス、むき出しの配線など、アメリカンテイストにこだわり、細部までつくり込んだビルトインガレージ。

贅沢な時間と、特別な場所

家は、人生を豊かに彩る装置でもある

急勾配の大屋根からゆるやかに伸びるフレアード屋根と、外壁のラップサイディングが特徴のアメリカンガレージハウス。ここは、Oさんが週末に「贅沢な時間を過ごすため」に建てられた別荘である。暮らしの場ではなく、あくまでも「楽しむための場」であり、自分の趣味、ライフスタイルを豊かに彩る「特別な場」でもあるという。
さまざまな思いが凝縮した空間であることは、玄関のドアを開け、エントランスホールに足を踏み入れた瞬間に「なるほど」、腹にすとんと落ちる。ホールとビルトインガレージはオープンサッシで一体となり、室内からでも所有するスポーツカー、オートバイが見えるようになっている。入って正面にあるイナズマ階段が視覚的に大きなインパクトを与え、その下の空間には、クルーザーの舵をディスプレイ。アクティブに、さまざまな趣味を楽しむライフスタイルが、ドアを開けた一瞬で見て取れる。
「楽しむための場」という思いは室内全体を貫き、壁、床の建材、ソファ、テーブルなどのインテリアもすべてに物語が宿る。奥の壁は、レンガとモルタル造形を組み合わせ、人生を楽しむために使い込まれた空間であることを表現。キッチンも、空間全体との統一感を重視した仕様で、配管などはあえてむき出しにしている。
ビルトインガレージの裏、1階から続くスペースには、ご主人の最初からの希望でサウナと露天風呂が。温泉めぐりの趣味が高じて、いつでも温泉気分を味わえるように、という思いが形になっている。「ここに来て“整う”のが最高の楽しみになっています」と、Oさん。贅沢な時間、特別な場所。いろんな趣味を持ち、人生を謳歌しているOさんは、ここで心ゆくまでくつろいで過ごし、英気を養っているようだ。

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