アメリカで買い揃えたお気に入りたちに、囲まれて暮らす幸せ
仕事で約5年間、アメリカで暮らしていたご夫妻。もともと「家を建てるなら輸入住宅」と考えていたが、リアルな暮らしを体験することで、その思いは夢から、具体的な計画へと変わっていったという。
アメリカの友人、知人の住まいを訪ね、“本物”を感じると同時に、家具、小物、雑貨にも魅了された。高級店ではなくても、デザイン的にセンスのあるものが多く、買い揃え、日本へ帰国。家づくりのプランは、向こうで購入した家具、小物、雑貨をどう取り入れるかが重要なポイントだった。
大きな方向性は「素材を楽しみながら、心地よく暮らすこと」。外壁も室内も、壁は漆喰にこだわり、微妙な表情の変化を楽しむことにした。建材は、可能な範囲で北米から輸入したが、品質とデザインで納得できるものは、国産のものを抵抗なく取り入れている。
室内に足を踏み入れると、漆喰の壁とフローリング、家具の木目を基調に、やわらかい印象に仕立てられている。リビング、ダイニング、キッチンはゆるやかにつながり、開放感も十分だ。
インテリアは「見せる」ことにこだわった。リビングの一角に、古いミシンや雑貨でディスプレイした空間を設け、壁の本棚にもお気に入りのものたちが並ぶ。キッチンにも見せ場が多く、デザイン性の高い家電、カラフルな調理鍋などを、あえて見せるように空間がつくり込まれている。それでいて、機能性も十分に確保されているところはさすが。家づくりのひとつのお手本となるようなインテリアだ。