伝統と現代性、そして独自の感性のかけ合わせで生まれた邸宅
伝統的なジョージアン様式をベースに、ニュートラッドの流れも取り入れること。トラディショナルで品格のある空間でありながら、ジーンズでも過ごせるような、アメリカの上流家庭のライフスタイルを愉しめること。Aさんの学生時代、アメリカのホームステイ先がオリエンタルミックスなインテリアだったこともあって、家づくりでは、映画に登場する邸宅やインテリアサイトを参考に、イメージを固めていった。
レンガ張りと、シンメトリーな配置の窓。リビングはダイニングと空間を完全に分け、ゲストもてなすサロン的な位置づけにもしているのは、伝統的な建築様式のロジックで語ることができる。インテリアはもっと柔軟に「その場に身を置いて寛げること」を第一に考えている。壁やカーテンはベージュやアイボリーで統一し、家具はそれに合わせ、配色やデザインをコーディネートしていったという。
Aさんはセレクトショップを営んでおり、インテリアには洋服のコーディネートで培った感性が反映されているようだ。大きさ、形状、色のトーンを揃えるのはもちろん、そこにスパイスカラーを加えることで、心地よさとオリジナリティが育まれる。厳選した素材と輸入住宅づくりの経験に、ライフスタイルに裏付けられたセオリーが加わることで、ずっと待ち焦がれていた本物の邸宅が生まれた。